虫歯を放置するとどうなる?段階別の症状と今からでも間に合う治療法
「ずっと前から虫歯があるのは分かっていたけれど、忙しくてつい後回しにしてしまった」
「歯医者が怖くて行けず、気づけば何年も放置している」
「今さら行ったら怒られるんじゃないかと恥ずかしい」
仕事や育児に追われたり過去の治療への恐怖心があったりして、受診のタイミングを逃してしまう方はたくさんいらっしゃいます。決してあなただけではありませんので、どうかご安心ください。
しかし最近になってまた痛みが出てきたり欠けた部分が大きくなったりしている場合は、虫歯が進行しているサインです。この記事では、虫歯を放置した先に何が起こるのか、そして今からでも間に合う治療法について、専門ドクターが客観的かつ丁寧に解説します。
虫歯の放置で起こる段階的な症状の進行

虫歯は風邪や擦り傷とは違い、自然に治ることはありません。放置すると段階を追って少しずつ進行していきます。
冷たいものがしみる初期段階
歯の表面やそのすぐ内側まで虫歯が進んだ状態です。冷たいものや甘いものを食べたときにじんわりしみる、たまに痛むといった症状が出ます。この段階であれば、虫歯の部分を少し削って白いプラスチックを詰めるなど、比較的簡単で痛みの少ない治療で終えることができます。
神経まで進行して起こるズキズキとした激痛
虫歯菌が歯の内部にある神経にまで到達した状態です。冷たいものだけでなく温かいものでも強く痛み、何もしなくてもズキズキとした激痛に襲われることがあります。ここまで進行すると単純に削って詰めるだけでは治せず、神経の処置が必要になります。
痛みが消える末期段階の恐ろしさ
激痛を我慢し続けるとやがて歯の神経が死んでしまい、不思議なことにピタッと痛みが消えます。しかしこれは治ったわけではありません。痛みを感じるセンサーが機能しなくなっただけで、虫歯菌はさらに歯の根の奥深くへと侵攻しています。やがて歯の根元だけがボロボロに残った状態になり、放置すれば抜歯の危険性が高まります。
虫歯の放置が引き起こす全身のトラブル

虫歯はお口の中だけの問題と思われがちですが、放置し続けると全身の健康に関わることもあります。
虫歯菌が血管から全身を巡る危険性
歯の神経が死んで根の先まで感染が進むと、万が一の可能性としてそこから虫歯菌が血管に侵入し、全身を巡ることがあります。医学的には心疾患や肺炎などの全身トラブルを引き起こす原因の一つになり得るとされています。すぐに重篤な状態になるわけではありませんが、お口の健康は全身の健康に繋がっていることは事実です。
歯の腐敗や膿による強烈な口臭
虫歯を放置して穴が開いた歯には、食べカスや細菌が大量に溜まり、発酵してガスを発生させます。また神経が腐って歯茎に膿が溜まると、強い悪臭を放つようになります。この口臭はいくら念入りに歯磨きやうがいをしても根本的には解決しないため、治療によって原因を取り除く必要があります。
手遅れと諦める前に知ってほしい歯の守り方

何年も放置してしまった歯を見ると、もう抜くしかないのではと不安になるかもしれません。しかし現在の歯科医療の技術をもってすれば、ダメージの大きい歯でも救える可能性は十分にあります。
精密な根管治療による歯の温存
虫歯が深く進行してしまった場合に行うのが根管治療です。これは細菌に感染した神経や汚れを歯の内部から丁寧に取り除き、中を綺麗に消毒して再び土台を作れるようにする処置です。当院のように歯科用顕微鏡を用いた精密な治療を行えば、状態によっては神経を抜かずに残すことができるケースもあります。
進行度に合わせた治療の流れと費用の目安
虫歯の進行度によって治療の流れや費用は異なります。
・初期から中期の治療費用は一般的な保険診療で数千円から1万円程度です
・重度で根管治療が必要な場合も保険診療なら数千円からですが複数回の通院が必要です
・再発を防ぎ確実に歯を残すための精密根管治療を選択される場合は数万円から十数万円程度の費用がかかります
まずは検査を行い、患者様のご希望に合わせた治療計画をご提案します。
虫歯の放置に関するよくある質問
痛みが消えたら治ったということですか
痛みが消えたのは治ったからではなく、歯の神経が死んでしまったからである可能性が高いです。そのまま放置すると次は歯の根の先に膿が溜まり、顔が腫れたりより激しい痛みを伴って再発したりすることがあります。痛みが落ち着いている時こそ安心して治療を始められるチャンスですので、早めの受診をおすすめします。
虫歯の放置で命に関わることはありますか
インターネット上には怖い情報もあるかもしれませんが、虫歯が直接の原因で最悪の事態を招くことは極めて稀なケースですので過度に恐れる必要はありません。ただし虫歯菌が血液に入り込んで全身の疾患を悪化させる危険性がゼロではないため、放置せずに治療することが大切です。
何年放置すると抜歯になりますか
何年放置したら抜歯になるという明確な基準はありません。手遅れかどうかは期間ではなく、今現在歯の根がどのような状態かで決まります。数年放置していても、精密な根管治療によってギリギリ残せる方はたくさんいらっしゃいます。
手遅れかもと気になった今この瞬間が、最も歯を残せる可能性が高いタイミングです。当院では放置してしまったことを怒ったり責めたりすることは絶対にありませんので、どうぞ安心してご相談ください。